
物件をいくつか見て回り、価格・立地・間取りなどを総合的に考えて「これだ!」と思える物件に出会ったら、多くの人は営業担当者にこう伝えます。
「この物件で進めたいです」
では、この一言を伝えた瞬間、もう“契約したこと”になるのでしょうか?
あとから気が変わったらキャンセルできないのでしょうか?
実はこの段階で行うのが、「購入の申込」=いわゆる「買付を入れる」という手続きです。
買付とは、「この条件で、この物件を購入したいと考えています」という
買主の意思を売主に正式に伝えるためのものになります。
まだ売買契約ではありませんが、不動産購入の流れの中では、とても重要な最初のステップになります。
・買付を入れると、どこまで拘束力があるの?
・キャンセルしたら違約金はかかる?
・口頭だけじゃダメなの?
・買付から契約までは、どれくらい時間がある?
こうした疑問を感じる方はとても多いです。
この記事では、「買付ってそもそも何?」という基本から、購入を検討する人が知っておくべきポイントまで、順を追ってわかりやすく解説していきます。
■ 買付を入れるって何?
買いたい!という最初の意思表示
購入したい物件が見つかったら、次に行うのが、売主に対して「買付」を入れることです。
「買付」とは、その物件を購入したいという正式な申し込みを意味します。
具体的には、不動産会社を通じて「買付証明書(購入申込書)」という書面を提出し、売主に対して「この条件で購入を希望しています」という意思を表明します。
買付証明書には、主に次のような内容を記載します。
・購入希望金額
・ 支払方法(住宅ローンを利用する場合は、その内容)
・契約日や引渡日の希望時期 など
この段階では、販売価格より低い金額を提示して値引き交渉(指値)をすることもできますし、
他に購入希望者がいる場合には、販売価格より高い金額を提示して競う(買い上がり)ケースもあります。
「いくらで出すのが妥当なのか」
「ここは強気でいくべきか、様子を見るべきか」
こうした判断は、周辺相場や売主の事情、他の検討者の状況によって変わるため、営業担当者と相談しながら慎重に決めていくことが大切です。
なお、こちらの希望金額がそのまま通らなかった場合でも、
売主側から「この金額ならどうか」「条件を調整できないか」といった
折衷案が提示されることも少なくありません。
その場合は、直接やり取りをするのではなく、仲介業者を通じて条件調整を重ね、お互いが納得できる内容を探っていくことになります。
■ 買付証明書を提出すれば、その物件は自分達が買える?答えは「いいえ、必ず買えるとは限りません」
買付証明書は、あくまで「この条件で購入したい」という申し込みを示すものです。提出した時点で、物件が自動的に自分のものになるわけではありません。
特に人気のある物件では、同じタイミングで複数の買付が入ることも珍しくありません。
その場合、売主はその中から誰に売るかを選ぶことになります。
売主が判断する基準は一つではなく、物件や売主の事情によってさまざまです。
例えば、
・買付を入れた順番が早い人
・購入希望金額が高い人
・現金買いの人(住宅ローンよりも確実で、決済までが早い)
といった点が、判断材料になることがあります。
つまり、買付を入れた=購入確定ではありません。あくまで「候補の一人になる」という位置づけです。
実際の現場では、内見が土日に集中し、週末だけで複数の買付が同時に入るケースもよくあります。
だからこそ、買付の出し方や条件の組み立て方はとても重要で、営業担当者と状況を共有しながら進めることが、購入の可能性を高めるポイントになります。
■ 複数の買付の中から、選ばれるためのポイント
では、買付が複数入った場合、その中から自分を選んでもらうにはどうすればいいのでしょうか。
売主が重視するポイントはさまざまですが、実務上、特に優先されやすいのが次の3点です。
・金額交渉がない、または少ないこと
・早く契約まで進められること
・住宅ローンの事前審査に通っていること
申込が複数ある場合、この3つが揃っている買付は、「話がまとまりやすく、安心して売れる相手」と判断されやすくなります。
特に重要なのが、資金面の確実性です。
購入金額や条件が多少似通っていても、「この人は本当に買えるのか?」という不安が少ない方が、売主に選ばれる可能性は高くなります。そのため、物件探しを始める際には、あらかじめ住宅ローンの事前審査を受けておくことを強くおすすめします。
※住宅ローンの事前審査は、仮の物件を想定し、「いくらまで借りられるか」を金融機関に確認するものです。この時点で、その物件で必ず契約しなければならないわけではありませんし、審査を受けた金融機関で必ず融資を受けなければならない、ということもありません。
「買いたい物件が出てきたとき、すぐ動ける状態を作っておく」これが、競合がいる物件で一歩リードするための現実的な準備になります。
■ 買付証明書で値引き交渉はどのくらい可能?
一番気になるポイントではないでしょうか・・・?
買付証明書には、販売価格よりも低い金額を記載して提出することができます。これが、いわゆる「指値を入れる」という行為です。
つまり、買付=そのままの価格で買う、という意味ではなく、条件交渉のスタート地点でもあります。(※販売金額のまま購入する場合も、買付証明書の提出は必要です)
ただし、理由のない自分本位な指値を入れてしまうと、
・そもそも交渉に応じてもらえない
・一度は話を聞いてもらえても、途中で決裂しやすい
といった結果になりがちです。値引き交渉をする場合は、売主が「なるほど」と思える根拠を用意することが重要です。
例えば、
・積算価格や収益価格を参考にした金額
・購入後に必要となる修繕費・リフォーム費用を差し引いた金額
など、なぜこの金額なのかを説明できる指値にすることで、交渉の土俵に乗りやすくなります。
では、実際のところ「いくらくらいまで交渉できるの?」と思いますよね。これは物件によって大きく異なりますが、一つの目安になるのが、情報が公開されてからどれくらい時間が経っているかです。
この点は仲介業者である程度調べることができ、長期間売れずに残っている物件であれば、100万円単位の交渉が通るケースもあります。
しかし現実的には、売主側も修繕費や売却時の諸経費を考慮したうえで販売価格を設定しています。そのため、大幅な値引きが成立するケースは多くなく、交渉がまとまったとしても数十万円程度に落ち着くことが一般的です。
交渉ありきで購入するというより、通ればラッキーくらいの心持ちでいるのが良いでしょう。
など、一般の人では見抜きづらい落とし穴が多く存在します。
■ 買付を入れたあと、キャンセルはできる?
はい、できます。買付証明書は、あくまで「購入の申し込み」の意思表示であり、この時点では売買契約はまだ成立していません。
そのため、原則として法的な拘束力はなく、キャンセル料や違約金が発生することもありません。この点は安心して大丈夫です。
ただし注意したいのは、買付証明書そのものに法的拘束力はなくても、売買契約を前提とした真剣な交渉行為として扱われる、という点です。軽い気持ちでの買付や、他物件と天秤にかける前提での買付は、売主や仲介業者との信頼関係に影響する可能性があります。
「本気で検討したうえで出す」これが大前提なのは、覚えておいて損はないでしょう。
■ 買付は口頭だけじゃダメなの?
基本的には、口頭だけでは不十分です。
不動産の購入申込は、「買付証明書(購入申込書)」という書面で行うのが一般的です。
口頭で「買いたいです」「この金額でどうでしょうか」と伝えること自体は可能ですが、それだけでは正式な申込として扱われないケースがほとんどです。
理由はシンプルで、
・本気度が伝わりにくい
・条件の認識違いが起きやすい
・売主側が判断材料として使いにくい
からです。
特に、複数の買付が入っている状況では、書面で条件を明確に提示している人が優先されるのが現実です。
口頭だけの申込は、「検討中」程度に受け取られてしまうこともあります。
また、購入金額・支払方法・契約時期・引渡し条件などは、あとから「言った・言わない」になりやすいポイントです。
買付証明書として書面に残すことで、条件が整理され、売主・買主・仲介業者の間で認識を揃えることができます。
つまり、口頭はきっかけにはなっても、決め手にはならないということです。
本気で購入したいのであれば、買付証明書を提出することが、売主に選ばれるための最低限のスタートラインになります。
■まとめ
以上が、購入申込(買付)の主な内容になります。
買付証明書に記入した条件をもとに、売主・買主の双方が納得できる内容へと調整を行い、条件がまとまった段階で、いよいよ売買契約の準備に入ります。買付を入れてから契約日までは、おおむね1週間程度で進むことが多く、この期間に条件整理や最終確認が行われます。※金融機関の住宅ローン事前審査の承認が得られない場合、売買契約に進めないケースがほとんどです。
そのため、まだ事前審査を受けていない方は、買付から契約までの期間中に、住宅ローンの事前審査を申し込むことになります。そして、この間を取り持ち、スムーズに話をまとめていくことが、私たち仲介業者の大切な役割の一つです。
より良い物件を、できるだけご希望に沿った条件で購入していただくために、状況に応じて確認やご相談、資料のご提出などをお願いすることもあります。
少しお手間をおかけする場面もあるかと思いますが、一つ一つが、安心して契約を迎えるために必要なプロセスです。お客様と二人三脚で進めながら、納得のいく不動産購入をサポートしていきます。
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